日別アーカイブ: 2013年10月24日

「サイン」という映画に驚いた

huluで「サイン」という映画を観た。メル・ギブソン主演のSF映画というつもりで観た。huluによる紹介はこうだ。

ペンシルバニア州バックス郡。グラハム・ヘスは、地域の住民が信頼を寄せる牧師であり、平凡だが幸せな家庭を築いていた。だが、ある日突然、事故で妻が目の前で息をひきとった。あまりにも不可解な最期の言葉、あまりにも不条理な死、そして、あまりにも耐え難い喪失感。次々と起こる怪奇現象に脅え、町の人々は続々とミステリーサークルから遠い地域に避難していく。グラハムの前に現れたいくつもの兆候(サイン)は、何を意味するのか?そして、なぜ彼の前に現れたのか?

SFやミステリーファンならちょっと観てみたいと思うよね。しかしこれがまったく違うのだ。いや、この紹介文は間違いではないし、実際「宇宙人がやってくる」んだからストーリー的にはあの古典「宇宙戦争」と変わらない。実際映画の中で「これは”宇宙戦争”だ」という台詞も出てくる。しかし、この映画のあらすじを正直に紹介するなら次のようになる。

ペンシルバニア州バックス郡という田舎の牧師グラハム・ヘスは、妻のあまりにも不条理な事故死でこの世には神はいないし奇跡などおこらないと確信し信仰を捨てる。しかしそこに宇宙人がやってきて、絶体絶命というときに「奇跡」がおきて宇宙人を撃退する。奇跡は存在する。神は我々を見守ってくださる。グラハムは信仰を取り戻し再び牧師となる。The End。

これ、アメリカの田舎の普通のキリスト教の人が観たら「家族は無事だし信仰は取り戻すしハッピーエンドな暖かい映画だな」と思うのだろうか。主演はあのメル・ギブソンだし。メル・ギブソンは「パッション」という映画を自腹で作った人である。キリストの受難をこれでもかとリアルに、Mな人ももう許してくださいと言わんばかりのグロな映画。そんな彼が不条理な事故で信仰を捨て、そして結末で信仰を取り戻す。あぁ、よかった。そんな映画なのだ。多分アメリカの田舎者が観たら。

でもこれを無信仰な私が観るとまったく逆な印象になる。キリスト教そのものを小馬鹿にしているわけではないが、「間抜けな牧師の信仰などこの程度のものですよ」というのが主題のコメディ映画だ。登場人物が宇宙人も含めてみな滑稽で、アホ面で、勝手な思い込みで行動し、偶然を運命や奇跡とこじつける。これがメル・ギブソン主演なんだからこれこそ奇跡というものである。

監督はM・ナイト・シャマラン。「シックス・センス」「アンブレイカブル」の監督なんだから、絶対に単純な「家族愛と信仰」がテーマのほのぼの映画じゃないよね。何と言ってメル・ギブソンをだまして出演OKさせたのだろう。

サイン (映画) – Wikipedia

『サイン』(Signs)は2002年のアメリカ映画。2002年でもっとも高い収益を上げた映画のひとつで、全世界で4億800万ドルの収益を上げた[1]。「家族の絆」と「信じる心」というものを作品の底辺に置いている